家計の金融資産は過去最高の1,946兆円!だけど株と投資信託はわずかの279兆円しかない。

日銀が6月25日に発表した2021年1~3月期の資金循環統計によると、家計が保有する金融資産残高は3月末時点で1,946兆円と過去最高になりました。
前年と比べて7.1%増加しており、日本人の資産はこの一年で大きく増加しています。

増加の要因は、株高の影響で金融資産の増加した影響が大きいと報道されていますが、実体は株高の影響はそこまで大きくはありません。

家計の金融資産はほとんどが現預金か保険商品

家計の金融資産のうち「現金・預金」は前年比5.5%増の1,056兆円です
約50兆円ほど増加したということです。
このうち、預金は956兆円で過去最高の数字となりました。
新型コロナウイルスの感染拡大で外出や消費が手控えられ、増加傾向が続いています。
1,946兆円の内、半分以上を現金もしくは預金として保有しています。
日本人は投資が嫌いで、現金預金信仰が強いとここでも感じます。

貯蓄から投資への流れを進めていますが、まだまだ貯蓄の割合が高いのが現状です。
NISAやiDeCoなど日本でも投資への流れを作っているのが事実ですが、まだ投資は浸透していないのが現実ですね。

さらに「保険・年金・定型保証」は533兆円です。
いわゆる保険や年金商品といった日本人の好きな安全資産に近い商品です。

現金・預金、保険商品の合計では1,589兆円となり、日本の個人資産の81.6%は安全資産です。

2020年の日銀の資金循環の日米欧比較によるとアメリカでは現金・預金は13.4%、欧州エリアでは34.9%と日本に比べるとかなり低いですね。
それだけ日本では投資への流れは進み切れていません。

株式・投資信託はわずかに279兆円

2021年に入り株式相場は好調が続いています。
2月には日経平均が一時3万円を突破し、1989年のバブル期以来の株高です。

しかし、その株高の恩恵を日本人の多くは享受できていません。
その理由は株式や投資信託などのリスク性の金融資産が非常に少ないからです。

日本人のリスク性の金融資産は「株式等」が195兆円、「投資信託」は84兆円で合計は279兆円です
現金・預金の956兆円と比べると1/3以下しかありません。

一方で、この金融資産は大幅に増加しています!

「株式等」は32.1%増、、「投資信託」は33.9%増と投資をしていた方は金融資産が3割以上も増加しています
投資信託に至ってはの過去最高の残高となっています。

この数字を見ると、もし1年前に投資をしていれば、もし10年前に投資をしてればと後悔の気持ちがあるでしょう。
私自身は投資家として、今回の株高でしっかりと資産を増やしています。

ただ、投資をしていない人は今回の株高を見て、少し悔しがっているでしょう。

日本の金融資産が増えた要因はなにか

それでは、日本の金融資産が増えた要因はなんでしょうか?

一つは特定給付金の10万円でしょう。
全国民に一人10万円を支給した特定給付金は予算総額はなんと約12兆円!!

しかし、すべて使われなくなったとしても現金・預金の増加額の1/4程度です。
あまり認めたくはないですが、コロナ影響で消費が抑えられた影響が出ているのでしょう。
気になる点は、どう見ても全体的にお金が余っているようには見えていないのが不思議なところです。

この増えたお金は誰が持っているかは非常に大事な点です。
富裕層のお金が増えているのであれば、再度給付金があっても良いですし、消費が活性化する要因になります。

日本は欧米と比べても投資が少ない

日本と欧米の金融資産の比較を見てみましょう。

日銀の2020年の日銀の資金循環の日米欧比較を見てみましょう。

2020年と一年前のデータになりますが、日本の現預金は54,2%に対してアメリカは13.7%、ユーロ圏は34.9%です。
一方リスク資産(株式+投資信託)は日本は13.0%、アメリカは44.8%、ユーロ圏は25.9%です。

アメリカのリスク資産への比率は驚きですが、ユーロ圏ですら全資産の1/4程度はリスク資産に投資をしています。

アメリカなどでは、金融や投資の勉強カリキュラムが組まれており、投資に対する知識や抵抗感が日本とは全然異なります。

日本でも資産運用がカリキュラムに入りますので、10年など長期スパンで見ると、投資の割合が増えていくことを期待しています!

日本の金融資産資産のまとめ

それでは日本の金融資産をまとめてみましょう。

①2021年3月の日本の金融資産は1,946兆円で過去最高を記録
②現金・預金が1,056兆円と2/3を占めており、やはり日本人は預貯金が好き
③株式・投資信託などのリスク資産は株高で30%増えたが297兆円
④金融資産は増えたが、そんなに増えた実感はない
⑤欧米などと比べるとまだまだ日本は現預金が多い
⑥日本の資産運用のカリキュラムに期待
日本の金融資産についてまとめてみました。
金融資産が過去最高を記録したことはめでたいことですが、内訳をみるとせっかくの株高の影響を享受できている方が少ないのが悲しいところ。
リスク資産の増加で金融資産が増える事は非常に良いことですが、預貯金だけが増えても消費が活発化されていない為、経済としては喜べません。
コロナ禍で投資が盛り上がるなど、日本の投資環境は少しずつ変わりつつあります。
今後の金融資産の状況もしっかりとウォッチしていきたいですね。

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