ソーシャルレンディングが危機に!高い利回りにはそれなりの理由がある。

数年前から高い利回りで人気がでているソーシャルレンディング
私自身は危険性を考えて投資をしたことがありませんでしたが、最近はソーシャルレンディングの危機が起きています。
maneoマーケットがグリーンインフラレンディングを破産申したてをするなど、ソーシャルレンディングに危険性が明らかになりつつあります。

ソーシャルレンディングとはどんな投資か?

ソーシャルレンディングとは、お金を貸したい個人投資家(レンダー)とお金を借りたい企業(ボロワー)をインターネット上でマッチングするサービスで、クラウドファンディングと呼ばれる投資手法の一つです。「貸付型クラウドファンディング」と呼ばれることもあります。

ソーシャルレンディングとは

(クラウドクレジットより)

 

私達投資家は、クラウドファンディングサービス会社を通じて借りたい人へ資金を貸すことができます。
そして、定期的に利息を受け取るというものです。
つまり、お金を貸して利息をもらうという金融の中でも一番わかりやすい仕組みです

債券ですのでいつかは元本が返ってくるという安心感と、高い利回りは魅力的です。
また、1万円程度と少額から投資ができる為、個人投資家の中でもソーシャルレンディングに投資をする方が増えています。

しかし、ソーシャルレンディングは本当に安全なのでしょうか?

高い利回りには訳がある

ソーシャルレンディングの一番の魅力は高い利回りです。

様々なサイトを見ると、2.5%~10%程度で平均では5%程度となっています。

一般的には5%を超える債権はハイ・イールド債と呼ばれる範囲になります。
格付け機関が行なう格付けにおいてダブルB以下、即ち、S&P社ならBB以下、ムーディーズ社ならBa以下に格付けされた債券です。
国で言ったら、メキシコ国債が6.25%、インドが6.28%となっています。(幻冬舎 主要な資産の利回り比較(2021年2月)より)
いわゆるジャンク債と呼ばれる範囲になります。

高い利回りということはそれだけ、高い金利を出さないと誰もお金を貸してはくれないということです。

それだけ、ソーシャルレンディングはお金が返ってこないリスクが高いということですね。
ソーシャルレンディングで資金を集める会社というのはそれだけ、お金が集まらない会社ということになります。
投資の基本はリターンとリスクは比例しますので、高いリターンを求めればそれだけリスクも高くなることをしっかりと理解をしましょう。

5%はよく考えると高くない

ソーシャルレンディングは平均的に5%程度の利回りと言われています。
果たして、この5%は高いでしょうか?
いや、個人的には非常に低い利回りだと感じています

先ほどメキシコは6%を超える利回りが必要だと記載しました。
もし、6%の利回りを狙うのであれば、名前も知らない日本のベンチャー企業とメキシコのどちらに投資をするでしょうか?

メキシコはハイ・イールド債と言われていますが、比較的大きな国という単位です。
名もなきよくわからないベンチャー企業にお金を貸すくらいなら、比較的大きな国と言えるメキシコに投資をした方がましでしょう。

実際にマネックス証券で債券を購入しようとした場合は「国際復興開発銀行(世界銀行) 2027年6月30日満期 メキシコペソ建ゼロクーポン債券」の利回りは年5.97%とソーシャルレンディングとあまり変わりありません。
もし、ソーシャルレンディングをしたいのであれば、新興国の債券を購入した方が、マシだと思っています。

つまり、この5%程度の利回りは決して高いものではなく、同じ程度の利回りを狙うなら外債などもっと安全な商品は多くあります。

ベンチャー企業に投資をしたいなら、債券ではなく株式

私もベンチャー企業に投資をしています。

しかし、それはソーシャルレンディングではなく、株式投資型クラウドファンディングで投資をしています

10万円からエンジェル投資家になれる!株式投資型クラウドファンディングとは?

株式投資型クラウドファンディングはソーシャルレンディングと異なり、ベンチャー企業の株式を購入する投資です。
もちろん、投資した会社が倒産をすれば出資額は返ってきませんし、債券ではないので満期という考え方はありません。

しかし、有力な企業がIPOをすれば大きな利益が期待できる点と税制が非常に有利になります。
エンジェル投資税制の企業に出資をすれば、自己負担の2千円を差し引いて総所得から控除可能です。
年収600万円程度であれば税率は20%ですので、ソーシャルレンディングの利回りよりもお得に投資が可能です。

FUNDINNO(ファンディーノ)

ソーシャルレンディングが高利回りの理由のまとめ

それではソーシャルレンディングの高利回りの理由をまとめてみましょう。

①ソーシャルレンディングはジャンク債と同程度の利回り
②ジャンク債で高利回りを狙うなら、他の外債など選択肢はいくらでもある
③ソーシャルレンディングをするなら貸倒リスクはしっかりと理解すべし
④ジャンク債と比べもソーシャルレンディングは魅力は少ない
ソーシャルレンディングは私自身も手を出していない投資です。
その最大の理由は、リスクの割にリターンが少ないからです。
ベンチャー企業のために少しでもお金をと思っているのであれば、FUNDINNO(ファンディーノ)などを通じて直接出資をした方がベンチャー企業はうれしいでしょう。
5%も利回りを考えると、ベンチャー企業はそれをペイする事業計画はなかなか作れません。
あっという間に雪だるま式に借入は増える可能性が高いですので、ソーシャルレンディングにぞっこんの企業はある意味危険です。
高い利回りを狙うのであれば、マネックス証券で面白そうな債券を購入した方が何倍も貸倒リスクは少ないでしょう。
マネックス証券
最新情報をチェックしよう!