レバナスの危険性が顕在化。繰上償還の可能性はあるのか?

アメリカ株式の下落によってレバナスの危険性が顕在化しています。

レバナス自体は悪い投資信託ではありませんが、このレバナスに全資産を投資するのは危険性があると思っていました。
今回の大幅下落によって、まさにその危険性が顕在化したと言えるでしょう。

ただ、少し記事もオーバーに言っている気がしています。

レバナスとは何か?

まずはレバナスとは何かを見てみましょう!

レバナスとは、大和アセットマネジメントの『iFreeレバレッジNASDAQ100』という投資信託の略称です。
楽天投信投資顧問も同様のコンセプトで楽天レバレッジNASDAQ-100という投資信託を出しています。

ナスダックは、アメリカの世界最大のベンチャー企業向け株式市場です。
Microsoft・Apple・Amazon・Facebookなどの有名企業がNASDAQに上場しています。

ベンチャーというよりも、新興企業で伸びている企業ですね(笑)

『NASDAQ100』ではナスダック市場上場企業のうち、時価総額上位の約100銘柄が選出されています。
代表的な銘柄を見てみましょう!

ティッカー銘柄
AAPLアップル
MSFTマイクロソフト
AMZNアマゾン・ドット・コム
GOOGLアルファベット(クラスA)
GOOGアルファベット(クラスB)
FBフェイスブック
TSLAテスラ
NVDAエヌビディア
PYPLペイパル・ホールディングス
ADBEアドビ

いずれの銘柄もアメリカだけではなく日本、世界中で有名な企業ばかりです。
この伸びている有名企業に投資をするというのがNASDAQに投資をしたくなる一番の理由です!

iFreeレバレッジNASDAQ100は通常のNASDAQ100の2倍程度の値動きとなることを目指している投資信託です!
つまり、レバレッジを掛ける事により、NASDAQ100が上がれば2倍上がり、下がれば2倍下がる投資信託です。
10%上がれば20%上がり、10%下がれば20%下がります。

つまり、今回はNASDAQが20%下落をしているのでレバナスは40%下落をしています。

レバナスのリスクの高さが話題に

ITメディアでレバナスのリスクの高さが記事になり話題になっています。

“レバナス投資”で被害続出? 背後に投資系インフルエンサーの影も

確かに投資系インフルエンサーがレバナスが大きく儲かるような記事が多くありました。
もちろん、成長しているNASDAQの2倍の動きをしていますので、儲かる確率が高いです。

一方で、損失も2倍です。
そのリスクの高さをあまりインフルエンサーは言っていませんので、まるで投資をすれば儲かるような印象を持っていたと思います。

過去の経験から言ってもレバナスは最大50%近く下落するのが当たりまえです。

レバナス・ツミレバとは?コロナショックで50%近い下落に耐えられる精神が必要!

半分になるかもしれないというリスクを知った上で、レバナスに投資をするのが普通です。
しかし、今回はインフルエンサーによってほぼ間違いなく儲かるかのような言い方が多かったのが原因でしょう。
投資をしている人であれば、リスクとリターンを考えますが、これから投資を始めようとしている方はそこまではわかりません。

そのような中で投資の初心者がレバナスは儲かると思って投資をしているので、50%の下落は絶対に耐えられないでしょう。

元々レバナスはコアサテライト戦略のコア資産にはならない資産です。
レバナスをコアにする事は資産を失う可能性が高い投資です!

コア・サテライト戦略とはなにか?インデックス投信+αを行う投資!

繰上償還の可能性はあるのか

今回話題になった大きな要因は繰上償還です。

繰上償還とは市場環境の悪化など、当初の想定と比べて運用の継続が難しくなった場合に適用されるもので、その時点で運用が終了となります。
つまり、投資信託がなくなるので強制的に損益が確定します。
そうなれば、下がった状態で強制終了になるので半分以上の資産を失うことになります。

記事内で大きく下落をした場合は、繰上償還の条項に引っ掛かり、繰上償還になる可能性があるという内容です。

そりゃ、大きく下がれば繰上償還の可能性が出てくるのは当たり前です。

 

楽天レバナスの償還条項を見てみましょう。

受益権の口数が10億口を下回ることとなったとき、または、この投資信託契約を解約することが受益者のため有利であると認めるとき、NASDAQ-100指数(米ドルベース)が改廃されたとき、もしくはやむを得ない事情が発生したときは、受託会社と合意のうえ、この投資信託契約を解約し、信託を終了させることができます。

iFreeレバレッジ NASDAQ100の償還条項を見てみましょう。

次のいずれかの場合には、委託会社は、事前に受益者の意向を確認し、受託会社と合意のうえ、信託契約を解約し、信託を終了させること(繰上償還)ができます。・受益権の口数が30億口を下ることとなった場合・NASDAQ100指数(米ドルベース)が改廃された場合・信託契約を解約することが受益者のため有利であると認めるとき・やむを得ない事情が発生したとき

口数が大きな要因になりますが、楽天レバナスで10億口、iFreeレバレッジ NASDAQ100では30億口が基準です。

楽天レバナスでは385億口ありますし、iFreeレバレッジ NASDAQ100もまだ580億口あります。
そう簡単には早期償還はしないでしょう。

iFreeレバレッジ NASDAQ100はまだ基準価額が2万円を超えていますので、投資当初からは資産が2倍になっている計算です。

レバナスの危険性が顕在化。繰上償還の可能性はあるのか?のまとめ

レバナスの危険性が顕在化。繰上償還の可能性はあるのか?をまとめてみましょう。

①レバナスはNASDAQの2倍の動きをするリスクの高い投資商品
②レバナスはインフルエンサーの影響で人気が高い
③一方でNASDAQが下落して、リスクが顕在化
④投資の初心者はインフルエンサーの影響で資産が大幅に減少
⑤繰上償還の可能性は0ではないが、すぐに償還はなさそう
レバナスの危険性は以前から注意をしていました。
もちろん上昇基調であれば、とても儲かる投資信託です。
しかし、最大で50%も下落する可能性もある投資信託です。
そのリスクをしっかりと考えて、わかった上でレバナスに投資をするのであれば問題ありません。
今回はインフルエンサーの影響でリスクをよく理解せずに購入した方が多いです。
個人的にはここで投資を辞めるのではなく、正しい投資を学んで投資を続けていって欲しいと思います!
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