購買力平価説(PPP)とはなにか?物価を見れば為替がわかる!

良くニュースや経済用語で購買力平価説(PPP)という言葉を聞いたことがあると思います。
経済学を学んだりしている方はPPPという覚えやすい三単語の為、記憶に残っている方も多いと思います!

購買力平価説は外国為替レートの決定要因を説明する概念の一つです。
一見、とても難しそうに思えるこの購買力平価説ですが、考え方は非常にシンプルです。
それではどんなものなのかを見てみましょう!

購買力平価説とは何か?

購買力平価説とは英語で「Purchasing Power Parity Theory」通称PPPと呼ばれています。
為替レートは自国通貨と外国通貨の購買力の比率によって決定される、という考え方です。
1921年にスウェーデンの経済学者、グスタフ・カッセルが提唱した考え方です。

単純に言えば、財やサービスの各国の価値によって、為替レートが決まるのではないかという考え方です。

これだけ聞くとよくわかりませんね!
しかし、具体例を見てみると思った以上に簡単な考え方です。

購買力平価説には絶対的購買力平価相対的購買力平価というものも存在します。
この両方を具体例を交えながら見てみましょう。

絶対的購買力平価とは?

絶対的購買力平価とは、「同じモノであれば自国も他国も価値は同じである」という一物一価の法則が考えの根底にあります。

その為、為替レートは同じモノの値段がわかれば求められるということです。

リンゴ1個の値段を例にとってみましょう。
リンゴの値段が日本100円 アメリカ1ドルの場合、1ドルがいくらになるかを考えてみましょう。

日本もアメリカもリンゴ1個の価値は変わらないので「100円=1ドル」ではと考えます。
その為、為替レートは1ドル100円であると考える事ができます。

しかし、この説が成立するのはすべての財やサービスが自由に貿易されなければなりません
実際には関税などがあり、日本とアメリカで同じリンゴ1個でも値段が変わってきます。
厳密には絶対的購買力平価は成り立たないことになります。

相対的購買力平価とは?

相対的購買力平価とは為替レートは物価の上昇率で決まるというものです。
ある国の物価上昇率が相対的に高い場合、その国の通貨価値の価値が下がります。
逆にある国の物価上昇率が相対的に低い場合、その国の通貨価値は増価するので、為替レートは上昇すると考えます。

具体例を見てみましょう!
物価の上昇率を日本は1%、アメリカ3%だったとしましょう。
この時、1ドル100円がどう動くか考えてみましょう。

日本の物価の上昇率は1%上昇ですので、1年後には101円になります。
一方でアメリカの物価の上昇率は3%上昇ですので1ドル3セントとなります。

このとき、1ドルは98円と円高傾向になります。

つまり、相対的購買力平価は物価上昇率の差で為替レートを想像することができます。

ビックマック指数は購買力平価説の応用例

マクドナルドのビックマックが経済指標になっています。

ビッグマックはほぼ全世界でほぼ同一品質のものが販売され、原材料費や店舗の光熱費、店員の労働賃金など、さまざまな要因を元に単価が決定されるため、総合的な購買力の比較に使いやすい商品です

先ほどの例はリンゴでしたが、それをビックマックで比較しています。

2021年1月に発表されたビックマック指数を見てみましょう。

順位名称価格
(円)
価格
(USドル)
価格
(各国通貨)
BMI
(%)
地域
1位ベネズエラ9188.3530,164,100.00
(ボリバル)
+47.73中南米
2位  スイス7747.046.50
(スイス・フラン)
+24.68ヨーロッパ
3位  ノルウェー6936.3057.00
(ノルウェー・クローネ)
+11.54ヨーロッパ
4位  スウェーデン6816.2054.00
(スウェーデン・クローナ)
+9.65ヨーロッパ
5位 アメリカ6215.655.65
(USドル)
0.00北米
6位 カナダ5845.316.77
(カナダ・ドル)
-5.95北米
7位  イスラエル5685.1617.00
(新シェケル)
-8.60中東
8位 ウルグアイ5625.11225.00
(ウルグアイ・ペソ)
-9.49中南米
9位  ユーロ圏5525.024.27
(ユーロ)
-11.10ヨーロッパ
10位 オーストラリア5274.796.55
(オーストラリア・ドル)
-15.17オセアニア

 

日本は390円ですので、なんと31位となっています。
日本は比較的ファストフードが多く、ビックマックが安い地域です。

日本に住んでいる方は思っている以上に、安くビックマックを食べることができます。

日本はデフレが進んでおり、相対的にも為替レートは円高に進みやすくなっていますね。

個人的にはビックマックよりもiPhoneが指数になると思っています。
と思ったらすでに指数になっているようですね(笑)

購買力平価説のまとめ

それでは購買力平価説のまとめを見てみましょう。

①購買力平価説は為替レートの決め方
②同じ商品は国は違えど、同じ値段であるという前提で、為替レートがわかる
③物価の上昇率を使って将来の為替レートも判断可能
④ビックマック指数など世界各国にあるもので、為替レートを見てみるのもおもしろい
経済用語は難しいと感じている人も多いでしょう。
しかし、基本的な理論は皆様が経験している行動から割り出していますので、思ったよりは身近です。
経済と聞くと構えるかもしれませんが、具体例を見ていくとそこまで難しない理論が多いですね。
購買力平価説(PPP)はこれで完璧に覚えたので、積極的に使っていきたいですね!
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